−県立がんセンターに緩和ケア病棟が

群馬のがん条例ができて間もなく1年です。11月21日県立がんセンターで、緩和ケア病棟に関するがん患者団体との意見交換会が開催されました。
この会は、がん条例9条三項の「緩和ケアに必要な病床の確保」のため、国に「特例病床の承認」を働きかけていましたが、県立がんセンター内に25床(敷地内独立棟2階建て)の設置を承認する内示があり、具体化にあたりがん患者団体と県、県立がんセンター関係者の意見交換の目的で開催されました。
今後のスケジュールは、H23年度(下半期)・基本構想策定、H24年度・専任医師の確保と研修・基本設計・建設工事、H25年度・看護師その他の確保・竣工・開棟(資料の要約)をめざしています。
意見交換会はがん連協から4人(本田会長、土屋副会長、岡庭監事、根岸企画委員)県から石坂病院局長、県立がんセンターから福田院長、柳田医療局・乳腺科部長、服部事務局長、荻野看護部長、清水副看護部長の10人で行われました。
県内の緩和ケア病棟は西群馬病院(23床)、済生会前橋病院(16床)、富岡総合病院(18床)、伊勢崎市民病院(17床)と合計74床ありますが、富岡総合病院は他の病院からの受け入れを断っていますから、県立がんセンターに緩和ケア病棟が完成すれば、合計で99床、何処の病院からでも受け入れ可能な病床数が81床(現有56床)となり、ほぼ1.5倍加することになります。
意見交換会では県もがんセンター側も必要最小限の経過報告・進捗概要の説明に留め、もっぱら患者会側から要望・意見を聞くことに専念してくれました。
基本構想の理念として(1)全人的苦痛の緩和、(2)日常生活支援(緩和リハビリテーション)、(3)地域におけるシームレスな支援、(4)地域の緩和ケアの推進(緩和ケアの普及・教育)の4項目が示されました。
患者会側は、それぞれの立場と経験から、ホスピス型を念頭に終末期を家族や近親者と穏やかに過ごせる「快適な空間の提供」。介護・看護チームの一員としてボランティアの受け入れをあらかじめ組み込んで具体化して頂きたい。緩和ケア病棟に対する誤解を払拭すべく、終末期のみに終始しない多様な運用を望む声も出されました。
設置場所は県立がんセンターの西南方向の一角になる模様ですが、西南から北面にかけ西上州の山々、浅間や榛名方面、小野子・子持方面、赤城・日光方面などの眺望が素晴らしく、療養の大きな助けになるように思いました。
意見交換の場を一度だけにしないで、完成度の高い施設とするためにお互い努力し合いたいものです。がん条例に基づく、力強い歩みとしてご紹介しました。