−就労問題などの体験をお寄せください

H24年5月28日(月)県庁29階295会議室で第3回相談支援・情報提供専門分科会が開かれ傍聴しました。
がん対策室が、次期「群馬県がん対策推進計画(H25年度〜29年度)」の全体構成(案)と、がんに対する相談支援と情報提供及、がん患者の就労を含む社会的な問題の二つの骨子案を示し、それにもとづく協議が行われました。
相談支援と情報提供では、県のホームページトップ「安心・安全情報」の「がん対策」から提供する情報が見られると説明、工夫の跡が伺えるページとなりました。
この関係では、「ぐんまの安心がんサポートブック」を増刷、配布が始り傍聴者にも配られました。いずれもがん条例にもとづく「安心してくらせる群馬」を目指すとりくみの一貫ですが喜ばしいことです。
まだ、情報は限定的ですが、がん患者・家族と医療提供者・行政が協力しあい、治療と療養の質が増すたびに発信できる情報が豊かになる仕組として注目されます。

がん患者の就労を含む社会的な問題では、どのようなニーズがあるのか、それをどうすくいあげるか、といったことの議論が先行し、患者会委員に具体例のお尋ねがありましたが、現在の患者会には就労している方の参加が少なく、その方々も例会などへの参加が困難なため、適切な情報を提供しづらかったように感じました。
就労問題などをしっかり書き込んでもらうためには、がん連協などがこの問題にもう一歩踏み込みリアルな実態を提供していくことが急ぎのようです。
国の協議会などでは患者代表や研究者の発言を通して、何がどのように求められているかはだいぶ明らかになってきていますし、その資料なども公開されています。関連するページと資料のごく一部をご紹介します。
第29回がん対策推進協議会資料(平成23年12月12日) 資料7−働く世代のがんに対する課題
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001xsv8-att/2r9852000001xt1g.pdf
「第29回がん対策推進協議会」における就労・経済負担、サバイバーシップに関する委員からの意見のまとめ
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001ynll-att/2r9852000001ynpc.pdf
桜井なおみさんの講演録 2011年7月24日(日)開催第9回日本臨床腫瘍学会学術集会市民公開講座 「知っていますか? がん患者が直面する体・心・社会の問題」
http://www.cancerchannel.jp/posts/2011-07-24/5485.html

また、群馬ではがん条例が手がかりになるのではないかと思います。群馬のがん条例は全国に先駆け事業者の責務を条文に書き込みました。
(事業者の責務)
第五条 事業者は、従業員ががんを予防し、又は早期に発見することができ、本人又はその家族ががん患者となった場合であっても働きながら治療を受け、療養し、看護し、又は介護することができる環境の整備に努めるものとする。となっています。
がん条例が施工されて1年半。この間に県庁職員など県が事業者となっている分野で、就労者やその家族ががんになったケースはどのくらいあるのでしょうか。発生の数、その程度、どのように配慮することで治療や必要な介護に専念できたのか、あるいは復帰できたのか、場合によってはどうしたケースで退職などのやむなき事態に至ったのか。こうしたデーターは、就労条件の厳しい中小・零細企業の場合ならどうなるのだろうかを類推する貴重なデーターになりそうな気がします。また、人事管理などの行き渡った大手企業等に情報提供をお願いすることも必要かもしれません。
協議の中で、県のがん対策室は各拠点病院の相談資料から就労に関する相談件数をカウントし全体の相談件数との比率を紹介していましたが、相談者全体に占める高齢者の比率が高いため就労している年齢層の切実性が必ずしも浮かび上がらないのではと思いました。

このページを掲載したのはがん患者・ご家族のみなさんの就労問題に関するリアルな体験や、そのことに直面した経験からどのような対策が必要かといった意見をお気軽にメール(ntosi@dan.wind.ne.jp)までお寄せいただきたいがためです。有効に生かしたいと思います。宜しくお願いします。