−青森県が「がん専門サイト」開設

 青森県は本年度、がんに関するさまざまな情報を集めたウェブサイト「がん情報センター」を開設する。75歳未満のがん死亡率が2004年から5年連続で全国ワーストとなっているため、がんと闘うための知識を県民と関係機関に向けて発信する。来年3月の開設に向けて準備を進めている。
 国立がん研究センターによると、県内の08年のがんによる死者は4646人。75歳未満のがん死亡率(10万人当たりの死者数)は101.7人に上っている。
 がん死亡率の高さは平均寿命が全国で最も短い「短命県」の一因になっている。県は08年に5カ年のがん対策推進計画を策定。05年に103.2人だった75歳未満のがん死亡率を、10年間で82.6人に減らすことを目標に掲げた。
 サイト開設も計画の一環で、喫煙や肥満といった生活習慣改善にまつわる知識や検診など予防に関する情報を盛り込む。がん患者が診断結果を知った時の気持ちや励まされた言葉など体験談も紹介。医療機関や市町村向けには、がん登録などで得られたデータの分析や研究成果を提供する。
 サイト開設に向けて、本年度予算に約3000万円を計上し、資料収集などに取り組んでいる。開設後は順次、最新データやイベント情報を追加する予定だ。
 県医療薬務課は「正しい知識を得れば、主体的に生活改善に取り組める。患者になった時にも悲観することなく、治療に向き合えるようになるはずだ」と説明している。河北新報 2010年10月15日 金曜日