−がん対策推進計画の変更?の提案について

群馬県がん対策推進協議会(平成23年度)が6月13日に開催され議事録が公開された。協議会の主な目的は群馬県がん対策推進計画の変更(平成24年=2012が中間年)にありそうだ。議事録では読み取れないが協議会に配られた「群馬県がん対策推進計画の変更スケジュール」(資料12)によれば、今回の協議会でがん対策推進計画検討部会を設置し、部会と協議会を重ね、来年(平成24年)12月までに計画の変更(案)を得たいとしている。

がん対策推進計画検討部会の協議事項は1.群馬県がん対策推進計画目標の進捗及び評価について2.群馬県がん対策推進計画の変更(素案)について、とされ、それぞれ4つの協議分野(がん医療・がん検診・がん予防、緩和ケア・在宅医療、がん患者相談支援・情報提供、がん登録)が示され、一部の部会は8月から協議が開始されるようだ。
患者会の要望を部会への提案として整理するために、勉強会を開始したが、どうも気持ちが落ち着かない。がん条例制定の時、各患者会の要望を取りまとめるために何回も議論を重ねたが、今回はその延長線とは違うのではないか、の思いにとりつかれ困っている。困っているだけでなく堂々巡りが始まり、うまく抜けだせない。

群馬県のがん対策推進基本計画は全体目標として 1.がんによる死亡者数の減少 89.0人(平成17年人口10万人に対し)を→71.2人にする。 2.すべてのがん患者及びその家族の不安や苦痛の軽減並びに療養生活の質の維持向上を掲げた。別な言い方をすれば、二つの全体目標を実現するために、各分野ごとの諸策を講じると言う関係にあるのではないか。

がん対策推進計画の変更と言うが、何を変更したいのか良くわからない。まさか「二つの全体目標」の変更などではあるまいが、一抹の不安はよぎる。いずれにしても、間近となった中間年に向け、群馬県がん対策推進計画目標の「進捗及び評価」はさけて通れないはずだ。県は、協議会に対し「進捗及び評価」に必要なデーターを示し、見解をまとめるべきではないか。その上の個別協議でなければ意味をなさないのではないか。

がん条例の制定前に繰り返し読んだ、群馬県がん対策推進条例にはがん患者の願いに沿った素晴らしい提案がたくさん書かれていたが、予算の裏付けがなく「絵に描いた餅」だ、と揶揄した。視察に来た議員さんたちとがん条例こそ「絵に描いた餅」にしてはならない、の思いが共有できたことがどれほど心強いことだったか。がん条例が出来たことで今や群馬のがん対策推進計画は「絵に描いた餅」どころではない。この計画に息を吹き込むチャンスこそ、今回の「がん対策推進計画の変更」なのかも知れない。

がん条例、第17条には「県は、がん対策に関する施策を推進するために必要な財政上の措置を講ずるものとする」と書かれた。私たちは、すべての協議会委員の賛同のもと、群馬県がん対策推進計画の全体目標の「進捗状況と評価」をお出しいただき、その達成に向け、各分野では何をどのように推進すべきかをしっかり見定め、おねだりでも単なる思い付きでもない、がん患者・家族ならではの切実さのこもった提案を自らの体験とがんサロンや患者会での患者・家族の声を背景に煮詰め、仕上げようではないか。