−参加できてよかったです 野山梅子

来た甲斐がありました

 1月30日に県立センターで開催された、厚労省の支援事業「納得の医療、信頼の医療のための懇談会」に知人のお誘いで参加しました。どのような懇談会なのかイメージしにくかったのですが、これからの医療について患者の立場から参考になりはしないか、ひごろ迷ったり考えたりすることの多い医療者と患者の距離が近くなれば、の思いでした。

当日は、たいへんよい天候に恵まれがんセンターの3Fから、男体山も見える素晴らしい風景でした。第一部は講演でがん登録室長、外科、ないか、放射線科、看護部、ソーシャルワーカーからのお話がありました。各分野から、がんに対する特殊性やインフォームド・コンセント、治療過程など多方面からお聞きすることができました。

 講演のなかで印象に残った一つは、医療者と患者の間で言葉のギャップがあるという指摘。たとえば「予後が良い、悪い」とか「余命」とか、インフォームド・コンセントで使われる言葉が、お互いに同じ意味をもっていたかなどと考えさせれれました。講演のなかで紹介された「病院のことがよく分かる本」など、私も読んで見たいと思いました。

また、「生存率」という言葉を統計や確率の関連で興味深くお聞きしました。私の場合、この問題をどう理解していくのか課題が残りました。看護師・ソーシャルワーカーの講演では、患者が困ったり悩んだりしたとき相談支援センターを利用することも一つの助けになることを知りました。様々な機関を上手に活用し、孤独になったり孤立しないことも大切なことだと思いました。これらの、いっそうの充実を希望しております。

 最後に、がんは哲学的な病気であるとのお話は心に残りました。つまり、「ある人生をどう考えるか」「…有限な時間をどう折り合いをつけて生きるか」というお話でした。QOLを重視して治療するのか、QOLを損ねてもきつい治療を続けるのかを各人が選ぶ。選択するのは患者自身とのことでした。
 私だったらどうするか。これからの時間をどう生きようとするのか、もう一度深く考える機会を頂きました。

 また、心強く感じた言葉がいくつもありました。「選択したことは後悔しない」「死ぬことよりも残りの人生をどう生きるかを考える」「コミュニケーションの大切さ」「自分の意見を持つこと」などなどでした。私もその通りだと思いました。

 お蔭さまで、前向きに生きていけそうです。このような充実した懇談会がより広く社会に浸透し、医療者と患者・家族が安心して治療が受かられる社会になったら嬉しいと思いました。