−日曜外来で早期発見に成果

 国立がん研究センター東病院柏市)が月2回、日曜日に新規患者の外来に取り組み、一定の成果を上げている。平日は休みがとりにくい働き盛り世代のがんの早期発見につなげる試みで、昨年10月の開始から5カ月間に受診した人の2割弱が、がんと確定診断され、治療に入ったという。
 同病院によると、2月までの新規患者は、県内外の135人(男性62人、女性73人)で、平均年齢は58.9歳。同期間の新患全体(2294人)の平均年齢63.3歳と比べ、5歳近く若い。
 このうち5月半ばまでに、がんと確定したのは25人(18.5%)。内訳は乳がん9人、胃がん4人、大腸・直腸がん、前立腺がん各3人など。多くは比較的初期の段階で見つかった。
 健康診断で再検査を勧められたり、何らかの症状があったりして、がんが心配な人が対象。家事育児で家を空けにくい人も含まれる。原則電話予約で、紹介状がなくても受け入れる。実際、男性の8割、女性の7割近くは、紹介状なしで受診した。同病院は「受診人数はまだ多くはないが、門戸を広げた意味が確実にあった。こうした取り組みを、地域に根付かせていきたい。不安がある方は、日曜日に気楽に病院に来てほしい」としている。
 同院で進行したがんの治療を受けている若い患者が目立っていたことから、患者年齢と、がんの進行度との関係(2008年度)を分析。60歳未満、特に40代は、初診時点に病状が進行した状態で見つかる割合が大きいことが分かり、「病院に来やすい環境作りが大切」として日曜外来に踏み切った。
 診療は毎月第2、4日曜日の午前に受け付けている。問診のほか、採血やコンピューター断層撮影(CT)、超音波検査などが可能。診療科によっては月1回や交代制で対応する。予約は(04・7134・6991=平日午前8時半〜午後5時15分)。 2010年9月8日